2026年は、欧州講習会は開催されず、称号者のみを対象としたセミナーがフランクフルトで開催され、その後3段以上の審査が行われた、今回は称号者セミナーでの気づきを書いてみたい。
セミナーの後も物議をかもしたのは、女性の「本座での襷捌き」についてであった。すでに2年ほど前から審査等では立射での襷捌きは、控えで行い、射場では行わないよう指導方針が出ていた。背景としては立射での襷捌きは片手での所作となることから襷がしっかりと袖をとらえにくく、弦が左の袖を払って矢が思わぬところに飛んでしまった事故があったからということであった。今回のセミナーでは追加で本座で座射にて襷捌きを行う場合も、膝に乗せた弓と矢が落ちる失を未然に防ぐために、控えで準備することもできるという説明がされた。
人によっては「女性差別だ、女性が男性と同じように本座で所作をさせない方針」とか「基本的に本座でのたすき捌きは座射でも立射でもしないように」と理解した人さまざまであった。よってその後に講師の方と話しをして自分なりには以下のように理解した。
- 審査・演舞においては立射の場合は控えでたすきがけを行う。
- 座射の場合は、審査では減点対象となる失を起こす可能性がある場合は、控えでたすきがけをしてもよいという選択肢が与えられた。よって、控えでたすき捌きをしても審査の評価外になるということ。(武器である弓と矢が体から乖離して床に落ちることは大きな失であるとの説明)
- 本座での立射あるいは座射でのたすきがけについては、上記のイベント以外では連盟の関与するところではない。よって各地連や道場でのイベントでの矢渡し、射礼、演舞においては今まで通り、立射であっても座射であっても本座でたすきがけを行うことについては問題ない。
| 連盟主催の審査・演舞 | 地方、各道場での矢渡し、射礼、演舞 | |
|---|---|---|
| 立射 | 控えでたすき掛けを行う。 | 選択肢あり |
| 座射 | 選択肢あり※ | 選択肢あり |
※今までも選択肢はあったはずであるが、ほとんどの人が座射・立射にかかわらず、本座で襷捌きを行っていた。
私のように襷捌きを行わない者の意見としては不十分かもしれないが、審査等で本座で襷捌きを行わない=稽古をしなくてもよいではなく、どんな状況でもしっかりと襷捌きができるような稽古を日頃からしっかり行えば、失の心配もなく逆に加点はなくても全体の印象をよくする効果があると考える。また現在座射の人も、ケガ等で立射で襷捌きを行う必要があってもすぐに対応できるくらいの準備・稽古をする必要はあると思う。立射の人も審査以外で座射に遅れることなくしっかりできるくらいの稽古は日頃からすべきであろう。
襷捌きをする必要性はなくても、いつでもできる状態を保つのが武道の心であろう。
(審査1カ月前に柳水館での集中稽古に参加中の合格者)