型と形について

今までに 審査規定は 何度も読んでいて、最近では「審査統一基準」として五段以下、詳しい説明もなされており、それなりに理解していたと思っていた。しかし、今日は今まできちんと読んでいなかったことに気づき、非常に衝撃を受けた。(以下段・級位の資格基準伐採)

七段 射形・射術・体配自から備わり、射品高く、錬達の域に達した者
六段射形・射術・体配共に優秀にして射品高く、精錬の功顕著な者
五段射形・射術・体配共に法に適って射品現われ、精励の功特に認められる者
四段射形定まり、体配落着き、気息正しく、射術の運用法に適い、離れ鋭く、的中確実
の域に達した者
参段射形定まり、体配落着き、気息整って、射術の運用法に従い、矢飛び直く、的中や
や確実な者
弐段射型・体配共に整い、射術の運用に気力充実し、矢所の乱れぬ者
初段射型・体配型に適って、矢所の乱れぬ程度に達した者

今日気づいたことは、弐段までは「射型」、参段以上では「射形」という違った文字を使っている事であった。実は今まで型と形については色々と独自に考えてきたが、どうも今一度考えなおす必要があると感じた。

今までの型・形についての考え方は、浦上博子範士著書の「型の完成に向かって」にも紹介されているように、体と弓を型にはめる(繰り返しの稽古によって、自己の体と弓にあうパターンを形成する)ことが重要であって、見た目の形、即ちフォームは初心者が弓を始めるときにだけ必要と思っていた。(2010年4月8日のブログで「 射型と正射正中」に記載)

審査基準を良く味わいながら読んでみると、ここで使用されている「射型」は、体配と共に、見本の射法八節の運行(動作のパターン)がそれなりに出来てきたと見受けられる者に対して使用されており、「射形」は、これらのパターンが自然に自己に身に付いた形として表現されるものに対して使用されていると読み取れる。この事から、ここで使用されている射形を説明すると、「正しい稽古の繰り返しにより形成された射手の正しい身形・態度・心境の形」と言い換えることが出来るだろう。

上記の事から、射型は、見本に基づいた一定の射の運行(行動パターン)を指し、主に真行草で言うところの「真」の段階(弐段まで)。修練に従い自己の表現が形成されるようになると自己の射形として「行」となる(参段・四段)。その後、射品が自然と現れてくると「草」へ進む(五段以上)ともいえるのでないだろうか?これは体配や射術に比べると外から見えにくいものであるが、長期に渡っての正しい行動パターン(型)は、射手の正しい姿(形)を形成し、正しい射法(型)は、正しい的中としての結果(形)を生む。今日時点で整理した自分の「かた」に関する考え方は、「型の完成の結果が形」とまとめたい。