昇段合格のお祝いとドイツの現状

2018年11月17日・18日両日に行われたフランクフルトでのトレーナー研修会参加のために、前日16日(金)にフランクフルト入りし、フランクフルト弓道クラブの稽古に参加した。

このクラブは2010年まで12年間在籍していたこともあり、また自分の弟子が今では指導者の一人として頑張っていることから、今でも強いつながりがある。
たまたまであるが、稽古開始の挨拶の後、今年4月に東京で行われた昇段審査での合格者へそれぞれ証書が配布された。

もちろんこの合格者(四段1名、参段3名、弐段・初段共に1名)は知っていたものの、実際に本人が証書を受け取る場にいる事が出来き、又その喜びを共有出来て本当に良かった。中には自分が直接指導した人も混じっているが、一部は自分の弟子の弟子であることから、孫の成長を聞いているようで大変うれしかった。(実の娘も年頃であるが、実孫はまだ先になるだろう)

ドイツは欧州で弓道人口が一番多い国となっているが(会員約1250名)高段者、特に称号取得者がなんと全体の0.6%(7名)と大変低い。参考までにフランスでは、称号者が22名在籍し、全体の3%、イタリアは8名で全体の4%、スイスは6名で全体の4%、イギリスは6名で全体の5%、オランダ3名で全体の4%となっている。(EKF-Members-Statistics-2018

ドイツでは昇段審査に元々参加しない人も多いため、この統計が国の弓道レベルを直接示しているとは言えないものの、個人的に思うのは、審査・セミナーに参加せず、現在弓界最高位の先生方の指導を受ける機会なしに、井の中の蛙状態で弓を引き続けるのは、長年引いてもなかなか上達が難しいのではないか?自分の見えるレベルが世界のレベルではないのに気づくことも大切ではないだろうか?そのように思う。確かに弓道は昇段が目的ではなく、また人によっては上達そのものが目的でないかもしれない。しかし将来のドイツでの弓道界の事を考えると、次の時代へより良いものを残すために、広い視野をもって、自己を高めていく努力をする必要があると自分は思っている。多くの若い人がこれに賛同してくれることを望む。

最後に今年新たに合格した皆んさん、あたらめて合格おめでとうございます。今後も更に上を目指し、良い弓を引き、自分の先生を超えるように頑張ってください。